第51話

「な、な、ななななっっ!!!」





真白は狼狽しながら、みるみるうちに顔を赤くした。



則祐は意地悪く笑っている。






「の、のの則祐っ!!!何言ってるのさ!!あいつは宮様のっ!!宮様のっっ!!」





「そうだな。別に何でもない。ただ私には真白が姫様に大分入れ込んでたように見えてた。」






ケロリと則祐はそう言う。


こいつ、いじめっこだな。





「い、い、入れ込んでなんかないっっ!!!第一俺、男が好きだしっ!!」





は、はあ?!!



思わず目を見張る。






「男が好きって、お前も男だろ?!!」






衝動的に叫ぶと、真白は涙目で叫んだ。





「うるさいなあ!!そうだよ男だよ!!別に俺の嗜好の問題だから太一には関係ないよ!!」





「・・・俺、お前と仲良くするのやめる。」



「太一。気が合うな。」





則祐は相変わらずにやにやと笑いながらそう言った。






「2人とも大嫌いだっっ!!!俺が好きなのは宮様なんだっ!!」







くだらないな。



でも久しぶりに楽しいと思う。






温かい場所もあるんだと、小さく思った。







銀鼠■明るい銀のようなねずみ色のこと。

明るい灰色。ぎんねず

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る