第24話
「ほら、手え合わせろよ。」
左虎くんは私の両手を乱暴に掴んで無理やり合わせた。
「誰か死んだら、拝め!そんだけ!俺が死んでも拝め!そんだけ!」
「その通りですよ。それでこそ、戦死したかいがあるというもの。女性の仕事は一日一度でいいから死んだ者たちのことを想って、拝んでくださればいいのですよ。」
救われている。
この2人に会えてよかった。
底抜けの明るさに、私ものすごく助けられている。
「きっとまた会えるさ。」
「え?」
左虎くんがにやりと笑う。
「ここで死んでもまた別の世で。本当に会いたけりゃ、また会えるさ。」
次の世で。
死んでも尚。
生まれ変わってそこで。
「そう思ったら、死ぬことも苦じゃなくなりますね。」
東湖さんは笑った。
また会える。
うん、きっとまた片岡さんに会える。
『あんたが、宮様よりも俺に先に出会っていればよかったのにな。』
片岡さんがそう言ったのを思い出して少し笑う。
次の世で片岡さんに先に出会っても、きっとまた私は彼に惹かれてしまうでしょうけど。
でももう一度会えるの楽しみにしているから。
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