第91話
「あんたねえっっっ!!!!一言くらい謝りなさいよっっ!!!!」
もう止められない。
殴られることを覚悟して、傍にあった竹ぼうきを掴んでその乱闘に加わる。
「ひっ、ヒナ!!!」
彼の驚いた声が、聞こえた気がした。
けれど、もうどうでもいい。
「だから男なんて嫌いっ!!!喧嘩ばっかして!喧嘩するのがかっこいいと思ってるのっ?!!!」
叫びながら、竹ぼうきを振り下ろす。
懐かしい、この感じ。
久しく振ってなかったな。
「一言、謝れっっっ!!!!」
叫んで振り下ろした竹ぼうきが、見事に面に入って、謝りもしなかった男が仰向けで倒れた。
しまった、殺しちゃったかもと思って正気を取り戻す。
はっと気づくと、朔太郎さんもその仲間たちも驚いた表情で地面に倒れこんでいる。
「す・・・」
朔太郎さんが、呟いた。
ああ、もう私ここにいられないかもしれない。
こんな凶暴女なんて追放かもしれない。
ひやひやと体中の血液が凍り付いていく。
ど、どうしよう!!
「すいませんでしたあっっ!!!!」
今度は私が面を食らったような衝撃に襲われる。
土下座。
土下座している。
私に向かって。
朔太郎さんや、そのお仲間たちが。
それを見て固まった私に、彼は声を上げて笑った。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます