第43話

しかもっ!



しかもっ!!!!





し、し、下着を着けていないって言うのに!!!!







着物を着せてもらったときに、しげちゃんがおかしいと言うから外したのよ!




だからすーすーするし、走れないって思ったのよ!!!





着物の裾が乱れて、股がご開帳になんてなった日には、それこそ恐ろしいことが起こるって思ったのに!





けれどそれがこの時代の慣習だって!



この時代の女の人は下着なんて付けないって知ったから、しょうがないって思って諦めたのよ!





それなのに!それなのにっっ!!!





ダイレクトに触られたかのよう!!!




もう・・・もうっ!!!!







「ほっ法師さまっ!!!」





障子の向こうで慌てた声が聞こえる。




もう怒りが渦巻いて、自分を制御できない。




ドスドスと音を立てて、板間の床の上を歩く。


思い切り戸を開いた。




ぎょっとしたように、座り込んでいた2人の目が大きくなる。




ああ、もう!!!!







「あんたのせいでお嫁に行けなくなったらどうするのよっっ!!!!」







捨て台詞のように叫んで、私はもう一度戸を思い切り閉めて大泣きした。

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