第2詩 【月】
目醒めると 夜半(よは)に
月が差しあがり、
おぼめく月が
差しあがり、
月は衣(ころも)を羽織(はを)り
金妙(きんたえ)の衣ぞ羽織り
永遠(とことは)に、
きらぎらしく、
深山(みやま)のうえにうち出(いで)て、
月はこの山に囲われた いっぴきの
鹿(かのしし)の鳴き声を愛おしむ
女子(おみなご)のつづる恋草(メルヘン)のように
雲とかすみが 明け透けに
差し汲んでいる
悲しみも 悲し日(び)も
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