第80話
余りにも盛り上がっているクラスメイトたちに、心配になってテーブルの上を見るけど、転がっているのはジュースのペットボトルばかり。
まあ、ジュースで酔えるのも、青春の特権、なのか…?
「ていうか紗葉ちゃん、陸先輩と幼なじみなんでしょ?今日朝、荷物持ってもらってたね!んもう、ほんと羨ましいんだけど!」
「ほんとそれ~」
私の右隣で寝転んでいたえっちゃんが、そういって手足をジタバタさせると、それを見ていたリカちゃんも同じようにジタバタさせている。
「ね、陸先輩ってどんな感じ?優しい?」
「うーん、どんな感じだろう…、優しい、優しいのかな」
ときどき意地悪なことも言うし、“優しい”と一言で済ませてしまっていいのかなって迷う私。
「りっくん、優しいっていうより、甘いよね、紗葉に」
そうかも。
亜里沙の“甘い”って表現が妙にしっくりくる。
起きられない朝は起こしてもらって、勉強を教えてくれて、わがままに付き合ってくれて、誰よりも優先してくれて。
こうやって並べてみると、私は陸に究極に甘やかされているのかもしれない。
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