第76話
「絶対あったよ!さっきまで!」
「知らねー」
「面倒くさそうな顔しないで!ほんとにあったんだから!」
4時間目と5時間目の間の休み時間。
ようやく今日の最後の授業、というか、問題演習の英語の時間が始まる直前。
お手洗いから帰ってきた私は、自分の英語のプリントがなくなっていることに気付いた。
「なに?またプリント無くなったの?」
さっき、世界史の解答プリントがなくなったときは笑ってたのに、2回目だからか亜里沙が心配そうに後ろを振り向いてくれている。
「もしかして……、」
「……うん…」
「食べてる、とか」
「心配してるのそっちかーい」
亜里沙がすごく神妙そうな顔をして呟くから、何故か私も緊張して、固唾を呑んで次の言葉を待ってたのに、時間を無駄にした。
「まあいいや、余ってるの貰ってくる」
ふかふかで離れがたい座布団から立ち上がり、ちょうど広間に入ってきたまるちゃんのもとに駆け寄る。
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