見えない悪意
第71話
合宿所の広さに驚く間も無く、勉強道具以外の荷物を置いて、すぐに大教室に向かう。
何クラスが合同なのか、人がごちゃごちゃしていて分からないけれど、多分3クラス分くらいかなあ。
森山旬が座ってる場所は、奴がすでに座って寝息を立てていてもすぐ分かった。だって、森山旬の存在が物珍しい他のクラスの女子がちらちらと視線を向けているから。
隣、座りづらいなあ。
「はいっ、いくよー」
そこに向かうことを躊躇していると、後ろから亜里沙にぐいぐい押されて、どんどん森山旬のいる机に近づいてしまう。
立ったままのほうが目立つことに気付いて、腰を下ろすと、やっぱり視線が振りかけられて。
うう…、すっごく居心地悪い…
ふかふかの座布団はとても座り心地がいいけれど、胡坐をかいている森山旬の膝が触れて、そこがほんのり熱を帯びる。
前の席に座った亜里沙は、ペアの、えーっと、高瀬君と楽しげで。
授業が始まりそうな雰囲気だけど、どうやら講義形式じゃなくて、プリントを解きまくるという忍耐力を鍛えるための合宿らしい。
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