第46話
「私にも、幼なじみがいるの。陸くんと紗葉ちゃんみたいに、仲良くないけど」
「あっ、そうなんですか」
「紗葉ちゃんと同い年。この高校。知り合いかもね」
「名前、なんて言うんですか?」
「えっとねー…」
私の心を表すみたいに、荒れていた天気が、少しずつ落ち着きを取り戻していく。
紫穂先輩の幼なじみの名前を聞こうとした瞬間に、横に誰かが座ってきて。誰か、なんて表現はおかしいか。だって、私は誰が来たかすぐに分かるから。
「陸!びっくりしたあ」
「ごめん、遅くなって。宮原と知り合いだった?」
「あ、ううん、私が紗葉ちゃんと仲良くなりたくて、ちょうどいるのが見えたから、話しかけちゃったの」
「ああ、そうなんだ。心も見た目も幼いけど仲良くしてやって」
「一言多いんだけど?」
私たちのいつもの掛け合いに、可愛く吹き出す紫穂先輩。わざと笑っているようには見えなくて。
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