第40話

「やっぱマネージャーってすごいね…」




リカちゃんの視線の方向に、私も目を向けると、明らかに目に見える、矢のような雨に打たれながらも、グラウンドで試合を見守る、宮原さんの姿があった。




「やっぱり、陸先輩のこと見てる」


「ね!陸先輩よく走るから、マネージャーさんの視線の動きがすぐ分かっちゃうね」




余りにも雨の勢いが強すぎて、ハーフタイムに入った時点で、今日の試合は中止になって。



半分しか終わってないし、勝敗はつかないけど、陸が決めた1点で、私たちの高校のサッカー部がとりあえずは勝ったみたい。




泥だらけになった陸は、チームメイトとハイタッチしながら、顧問と、宮内さんのところへ向かっている。




そんな陸の隣には、キーパーなのか、色が違う泥だらけのユニフォームを着た園田先輩もいて。



いたの気付かなかった、なんて言ったら、どれだけ陸しか見てないんだって言われるだろうけど。




さっき私が返してあげた、陸の試合用のタオルを、ずぶ濡れになった宮原さんに掛けてあげていて。

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