第40話
「やっぱマネージャーってすごいね…」
リカちゃんの視線の方向に、私も目を向けると、明らかに目に見える、矢のような雨に打たれながらも、グラウンドで試合を見守る、宮原さんの姿があった。
「やっぱり、陸先輩のこと見てる」
「ね!陸先輩よく走るから、マネージャーさんの視線の動きがすぐ分かっちゃうね」
余りにも雨の勢いが強すぎて、ハーフタイムに入った時点で、今日の試合は中止になって。
半分しか終わってないし、勝敗はつかないけど、陸が決めた1点で、私たちの高校のサッカー部がとりあえずは勝ったみたい。
泥だらけになった陸は、チームメイトとハイタッチしながら、顧問と、宮内さんのところへ向かっている。
そんな陸の隣には、キーパーなのか、色が違う泥だらけのユニフォームを着た園田先輩もいて。
いたの気付かなかった、なんて言ったら、どれだけ陸しか見てないんだって言われるだろうけど。
さっき私が返してあげた、陸の試合用のタオルを、ずぶ濡れになった宮原さんに掛けてあげていて。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます