第37話

「え、付き合ってるとか…?」


「まさか!…妹、みたいな感じかな」




自分で言ってて悲しくなって、瞳の淵にできた涙の水たまりのせいで、グラウンドが、ぐにゃり、大きく歪んだ。




「そうなんだあ。まあ西内先輩はあのマネージャーの宮原さんといい感じって聞いたあ」


「それ、リカも聞いた…。宮原さんがずっと好きで、最近どんどん仲良くなって、部内でも応援ムードだって」


「ね!絶対西内先輩狙いでサッカー部のマネージャーなる子もいるのに、がっかりするだろうなあ。まあ、私はそんな子と一緒なのは嫌だから、いいけど」




そういえばみなみちゃんは、自己紹介で、女の子だけど少年サッカーに入ってたって言ってたっけ。



もちろんサッカーの知識も深いだろうし、テーピングとかもできるから、マネージャーはほぼ当確らしい。




「(マネージャー…さん)」




ふたりの話を聞きながら、現実だと信じたくなくて、そんな風にみなみちゃんのことを考えてしまうくらいに、脳がその話を無意識に拒絶している。

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