第33話
「あ、タオル…」
陸が枕に使っていたらしいタオルが、急いでいたのかそのまま残されていて。
陸は変な願掛けがあるらしく、練習のときに使ったタオルは、試合のときには絶対に使わない。
見た感じまだ使ってなさそうなそのタオルを、ぎゅっと胸に抱いて、大好きなその香りに包まれながら、陸が練習を始めたであろうグラウンドに向かった。
◇
どこか、見やすいところはないかなあ?
入部希望の男子と、マネージャー希望?の女子、そして相手チームの応援らしい、違う制服を着た人たちで見やすそうなところは埋まってしまっている。
「紗葉ちゃーん!」
きょろきょろとしながら歩き回っていると、人混みの中から声をかけられて、今度はスペースじゃなくて、声をかけてくれた人を探すために視線を左右に這わせた。
「ここー!」
「あ!みなみちゃん!」
声をかけてくれたのは、クラスメイトで。みなみちゃんの隣にもクラスメイトのリカちゃんがいて、手を振ってくれている。
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