第22話

陸が真剣にサッカーしてるところを見るなんていつぶりだろう。ピクニックに誘ったのは私なのに、もはや部内戦のことしか考えられない。




部活、かあ。もしも部活に入るなら、5月の終わりまでに入部届を出さなきゃいけない。



マネージャーでもいいから、バスケの近くにいたい気もするし、バスケから完全に離れたほうが、諦められる気もする。



私、決断できるのかなあ。





学校に着き、いつものように校門で陸と別れ、4階まで続く階段を、今日はマイペースに上っていく。



最初は入ることだけでも緊張していた教室に足を踏み入れ、クラスメイトに挨拶をしつつ亜里沙を目で探した。




「紗葉、なんでそんなきょろきょろしてんの?」


「亜里沙!いた!ねえ、土曜日空いてる?」


「予定ある」


「えーー」




ごめん、の前置きもなく、ばっさりと断られる。なんでこんなクールな人と、こんなにも波長があってしまうんだろう。




「もしや…私も…クール?」


「まだ寝ぼけてんの?」


「クールというより冷たい…!」

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