第22話
陸が真剣にサッカーしてるところを見るなんていつぶりだろう。ピクニックに誘ったのは私なのに、もはや部内戦のことしか考えられない。
部活、かあ。もしも部活に入るなら、5月の終わりまでに入部届を出さなきゃいけない。
マネージャーでもいいから、バスケの近くにいたい気もするし、バスケから完全に離れたほうが、諦められる気もする。
私、決断できるのかなあ。
◇
学校に着き、いつものように校門で陸と別れ、4階まで続く階段を、今日はマイペースに上っていく。
最初は入ることだけでも緊張していた教室に足を踏み入れ、クラスメイトに挨拶をしつつ亜里沙を目で探した。
「紗葉、なんでそんなきょろきょろしてんの?」
「亜里沙!いた!ねえ、土曜日空いてる?」
「予定ある」
「えーー」
ごめん、の前置きもなく、ばっさりと断られる。なんでこんなクールな人と、こんなにも波長があってしまうんだろう。
「もしや…私も…クール?」
「まだ寝ぼけてんの?」
「クールというより冷たい…!」
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