第17話

「え、亜里沙昨日いたっけ?」


「ううん、なんか季節外れのインフルエンザにかかって、ちょうど昨日まで出席停止だったぽい」




友達作り乗り遅れる…!と亜里沙は電話の向こうで心配していたけれど、同じクラスだよ、と連絡したら、とても安心していた。




「ま、亜里沙しっかりしてるからな。同じクラスでよかったな」


「しっかり…?ちゃっかりの間違いじゃなくて?」


「あとでこれ亜里沙に伝えとく」


「やめてください…!」




後ろから車が来たら、さりげなく教えてくれる。道を横断するときは、私の分までしっかりと注意してくれる。



陸と歩くときはそれが普通で、それに慣れすぎて、ほかの人と歩くときには、怖い思いをしてしまったことがある。



そんな経験をするたびに、陸に全幅の信頼をおいて、ただてくてくと着いていく私に、どれだけ気を配ってくれているか実感して。




どろどろに甘やかされることに慣れた私は、ずっと、陸から離れることができずに、背中を追って生きていくのかな。




「俺、ちょっと部室寄ってくけど、迷子になるなよ」


「教室くらい行けるのでご心配なく~」

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