第13話
――――…もう、やっぱり、この人がすき。
高い身長と、恰好良い容姿だけじゃない。
歩くときに歩調を合わせてくれるとか、サッカーで誰よりもたくさん走ってるところとか、勉強を教えてくれる横顔だけでもない。
私を誰よりも理解してくれてて、私を誰よりも気にかけてくれて、誰よりもそばにいてくれて、優しくて、まるで家族みたいで。
私がもう少し早く生まれてたら、陸がもう少し遅く生まれてたらって、何度思っただろう。
1日どころか数時間しか誕生日は変わらないのに、陸は何でも1年早く経験しちゃって、私はいつも好きな人の背中を追いかけている。
はやく大人になりたい。
年の差なんて関係なくなったら、子ども扱いもされなくなるし、私もきっと素直になれるはずだから。
好きなのに、大好きなのに、そばにいるのに、どうして。
どうして毎日こんなに不安なんだろう。
「はい、ふたりとも笑って~」
ぱしゃり、春風と桜吹雪とともに、また一枚、陸との思い出が増えた音がした。また、追いつけなかったことを、思い知らされた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます