第4話

4月の初めのいまはまだ肌寒くて、明るく照らす太陽の暖かさを吹き飛ばすかのように、冷たい風がびゅん、と吹き抜けた。



中学の頃より少し短くなったスカートがひらりとひらめいて、踊る私の心の内をそのまま表現しているみたい。




「そっちじゃねえし」


「あ、そっか」




思わず3年間通った中学のほうに進みそうになった私を、陸が笑って引き止めてくれる。




「去年の俺と同じことすんなよ」




ケラケラと綺麗な顔を崩して笑う陸。


陸と同じことができた、そんなくだらないことですら、どうしようもなく嬉しい。




「歩いて行くの?」


「別に間に合うし、ゆっくり行こう。膝が心配だし。 」


「うん、ありがと」




私は、ミニバスから中学までバリバリのバスケっ子だった。


ただ、生まれつき半月板が大きかったことと練習のしすぎのせいで、半月板を損傷してしまって。



膝を伸ばすことも曲げきることも出来なくなってしまい、部活だけではなく生活にさえも支障をきたすようになって、やむなく左足を内視鏡で手術した。

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