第71話

私へのインタビューは完全にカットで、インタビュアーである地居くんの主観が何故か書かれた可笑しな記事。



それを読んで、周りの反応の理由を知る。




「(こんなんじゃ、私が律のことを好きみたいじゃない)」




律のことが好きだけど、家柄の違いから自分の気持ちを押し殺しているみたい。



確かにこんな記事を読めば、唇で私の頬を撫ぜたりすることもただイチャついているだけに見えるだろう。




「りーつー…!」




外堀を埋めてやる、ってこういうことだったのか。



もう私がどれだけ嫌がっても、ただただ照れているようにしか見えないはず。




「宜しくね、紫花さん?」




さっきまで痛がっていた律の余裕の笑みに、抑えようのない殺意が本気で、少し、芽生えた。





瑛茗祭に向けて準備は始まっている。



学園の宣伝も兼ねているため、ばら撒かれた予算。寧ろどのように使い切るかが問題になるほど。



但し、その分かなりのクオリティーを要求されるのだけれど。




そのため、1ヶ月ほど前から学生たちは放課後の時間を使って準備を始める。



カフェの絨毯の色、テーブルのデザインなどから皆で決めていく。

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