第60話

ゆったりと流れる時間に、美味しい料理、そして目の前には最高級にイイ男。




「デザートどうしようかな」



メインも終わり一息つくと、空気を読んだベストなタイミングで運ばれてくるデザートワゴン。




「全部頼めば?」




迷っている私をからかうようにコウくんが言う。




「そんなに食べませんー」




そんなことを言いつつも、やっぱりワゴンに乗っているデザートたちは見た目もとても可愛くて食欲を誘う。




「えっと、じゃあ、モンブランとミルフィーユとそのプディングで」


「結構食うじゃん」


「見て、コウくん!凄く綺麗じゃない?食べるの勿体無いね」




小さめだけれど、お腹以上に視覚から身体を満たしていくような繊細な飾り付け。



呆れたようなコウくんの言葉を無視しつつはしゃぐ私の前で、コウくんは優雅にガトーショコラを口に運んでいた。





カードで会計を済ませ、連れ立ってレストランを出る。




「偵察はどうでした?」


「偵察は紫花とのディナーのついでだから。どうする?泊まってく?」


「な、に言ってんの!セクハラ!」


「痛て!」

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