第90話

「いっつもそうやって私に仕事押し付けてきますけどね、帰宅部だって色々あるの!」



「いいじゃねーかよ。俺にやれって言うのかよー。疲れるから嫌だ。」




だらだらと。いつものやる気のなさそうな表情。



こんな先生でも、この進学校の進学率を支えるエリート。




「我が儘言わないで下さい。仕事押し付けないで下さい。」



「はーしーもーとー。一日一善っていうじゃんか。」



「仕事押し付けられて、よかったことなんかありま、せ…」




良かったこと。



初めて呉月くんと近づけたのは、アンケートを押し付けられた日だった。



そのアンケートの集計を呉月くんが手伝ってくれて。




そして、ほんの少しだけど仲良くなることが出来たんだ。

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