第91話

憧れが恋に変わるのは一瞬だった。




それは、朝のテレビニュース。テレビの左上に映し出される時刻表示。



いつ変わったのか分からないくらい自然に、表示される時刻が変わっていって。



でも、1分ごとに確実に進んでる。




あんな、感じ。




でも、恋して。諦めようと思って、でも諦めきれなくて。結局いま、切なくなるほど想いが大きくなっている。





切なくて切なくて。胸がぎゅー、と痛む。それは、良かったことなの?




もし、あの日。



アンケートを押し付けられなかったら?引き受けなかったら?


呉月くんに彼女がいなかったら?


呉月くんの部活が急に休みにならなかったら?


私が、思い切って誘わなかったら?

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