第88話

「ん、ちょっと言いづらいかも…。」



「そっか…、分かった。じゃあ言わないで。言ったら怒るよ。」



「千織っ、ありがと。」




そういう風に、言ったら怒るとか言って、気まずい雰囲気を作らないようにしてくれる千織が、親友で本当によかった。



千織の温かさに最大限に甘えながら、過ごしていく。





その日の放課後。



一昨日、呉月くんの部活がなくて、放課後に勉強会をした。




「明日と明後日は部活。その次はオフ。」




部活の予定を聞いた私に、そう答えた呉月くん。



て、ことは今日は呉月くんは部活なんだけど。





「はーしーもーとー。」



「何ですか?」



「お前、部活は?」




…コイツ、知ってるくせに。

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