第85話

左手で頬杖だから、顔はこっちを向いていて。



問題を解くために、伏せた目が色っぽい。




生身というより、なんだか精巧に描かれた、絵画のような。



でも色気が絵画なんていう枠には収まりきらない。




背中からカーテンによって遮断しきれなかった日の光を浴びて、黒髪がきらきら輝いて。



すっ、とシャープな輪郭も何もかもが。




ぐはー…、やばいよ。



なんじゃこりゃ。同じ人間ですか。




容姿端麗っていう四字熟語を、容姿超端麗っていう五字熟語に変えた方がいいってくらい。




お、なんか私上手いこと言ったんじゃない?





そんなことを考えながら、例に洩れず私はまたエースを見つめる。

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