第84話

「えー、俺はニュースと言えばNHKなんだけど。速報とかNHKが1番速くね?」



「確かにそうだけどー…、じゃあどっちかって言うと!?」



「んー…、森田さん?」



「だーよーね!」



「はいはい、勉強しなさい。」



「はーい。」





やっぱりねー、と喜ぶ私を軽くいなす呉月くん。



なんだか上手くかわされた感じがするけど、ものすごく満足だ。




隣同士に座っていても、少しだけ遠かった距離は、最近ちょっぴり縮まって。



それと同時に、なんだか私たちの距離も近付いたような気がする。




少し顔を左側に動かすと、すらすらと数学の問題を解く呉月くん。



左手で頬杖をして自分の頭を支えている。

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