第68話
紫(草の名)のように美しいあなたが憎いなら、私以外の人の恋人と知っているのに、私が恋い慕うわけがない。
確かにこれは、今の呉月くんにぴったり。
この和歌を作った、天武天皇の気持ちが分かるってことは。
――――まだ、あの人のことが好きってことだよね?
その万葉集の授業をもちろん、一緒に受けていた呉月くん。
私が、一応和歌の意味を理解してるってことも、分かってて。
「俺、気持ち悪いな。フラれたのに、こんなに好きとか。」
「そんなこと、ないよ。」
「本当情けない…。それよりごめん。こんな話聞かせちゃって。橋本さんは、皆に知られる前にもう付き合ってるの知ってたから、…なんか。親近感わいちゃってたって言うか。」
迷惑だよな、ごめん。そう続けた呉月くん。
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