第62話
きっと顔、見られたくないよね。私も目、きっと真っ赤だから、見られたくないし。
だから、隣合った机に、座った。
でも身体を向かいあわせる訳でもなく。
2人、机に視線を落としながら、暫しの沈黙。
「………俺、本気であの人のこと好きだったんだ。」
ぽつり、と話し始めた呉月くん。ぽつり、ぽつりと。
「あの人、本当は千里くんのこと好きだったんだ。でも、知ってると思うけど、千里くんは姉貴ばっかりで。それで諦めたらしい」
「うん。」
「俺は、図書室で仲良くなって。姉貴と千里くんの思い出の場所が図書室って知ってたから、あ、もしかして、この人が俺の大切な人になるのかなって。」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます