第59話

て、言うか。


『私のこと、見てよ』って、捉え方によっては告白だよね。




あんな女なんかじゃなくて、私のこと見てよ…!的な、よく昼ドラとかで、ある展開だよね。



焦りで、上手い言葉が思い浮かばない。


口がぱくぱく、空回りする。




「え、っと。違くて、これは、その…、んと」



「なんか金魚みたい。ぱくぱくしてて。」




言葉を発そうと、口を開けば閉じて、また飲み込む。


そんな私の動作に、くすくす笑う呉月くん。




少しの間、笑ったあと。



「分かった。橋本さんのこと、見てる。」




そんな風に言って、さっきまで揺れていた、あのまっすぐな瞳を私に向けてくる。




「え、ちょっと…!あんまり見ないでよ!」

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