第48話

でも、あんまり深く考えることもせず、そのあとは千織と愚痴とか、好きなものの話とか。




ペラペラ話して、それが楽しくて、2人の存在が私たちのなかで消えつつあった。





「やべ!映画の時間間に合わねえ!」




カフェ内に静かに流れるクラシック音楽をかきけして、男の人の声が響く。



声のした方を振り返ると、そこにはさっきの男の人が。




「うそ、もうそんな時間?急がないと。」




そう言って立ち上がった、呉月くんの彼女さん。



2人でまた一緒に、カランカラン、音を鳴らしてカフェを出ていく。




「行っちゃった。」



「結局どんな関係か分かんなかったね。」

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