はい、会話終了。

一安心したのに。

ガタガタ、と机を動かした音がしたと思うと、朝の教室に響いた、音楽。

アップテンポのその曲は、全然聴いたことはないけど、親しみがもてるものだった。

「なんだよ、その曲。誰の？」

「ソクラテス」

「なにその名前。センスねーな。」

「おっ前、ソクラテスなめんなよ！」

その会話を聞きながら、回りを見渡すと、どうやら椅子取りゲームをやろうとしていたようで。

机が窓際に寄せられて、椅子が円形に並べられている。

「面倒くさいし、使うのこの曲でいいじゃん。」

「まあいいか。負けたやつジュースだかんな。」

せーの！、その掛け声と共に流れ始めたその、ソクラテスというグループの曲。

ウキウキしながら、くるくると回る男子たち。

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