第20話

ガラ、とドアを開けて。



呉月くんは私に背中を見せながら、私を残して教室から去っていく。



ゆっくり、椅子に座り直す。椅子の背もたれにもたれながら、ふう、と大きく息を吐き出す。




最後は、意地だった。



一応、人並みにプライドとかあるし。



『送ってよ!』とか言えない。



よし、片付けるか。どんどん暗くなっていくし、急がないとな。



ゆったりと椅子から立ち上がる。



シャーペンの先を机にかち、と押し付けて、そのままペンケースの中に片付けた。




次は、アンケート用紙の整理。


1クラス分あるから、結構かさばる。



向きを揃えて、端を合わせるようにとんとん、と机に叩きつけて。



集計するのに使った黒板を綺麗に消す。高いところも背伸びして、頑張って。

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