第18話

「どういたしまして」




あまり、感謝されるのが得意ではないらしい。



私が、何度も感謝を伝えると、少し気まずそうに視線を逸らす。



不器用、なんだ。きっと。



エースの新しい一面を知ることができて、私は嬉しいけど。




「橋本さん、」



「なに?」



「一緒に帰る人、いる?」



「…いない、けど。」




嘘。あのパターン?



これって、マンガとかによくある流れだよね。



で、一緒に帰ろうってなって、手とか繋いじゃったりさ。



外を見てみると、確かに。ちょっと暗いかも。







「俺、悪いけど送れないんだ。」




期待に溢れた私の思考を止めた、その言葉。




「え。」




少しの時間が、理解をするために必要だった。

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