第17話

悔しさを隠しきれない私を、目の前でもう1度、静かに笑う呉月くん。



浅く、長く、地味に笑い続けていたけど、やっと落ち着いたみたい。




「随分長く笑ってましたねー」



「ほら、続き。」



「スルーですか。そうですか。」




皮肉ったのに、思いっきりスルー。




「問7、no。問8、no。」



「はい…、はい…。」



「問9からは記述ね。原付免許取るのには賛成、でも自分は必要なし。」



「はい…、問10も!」



「問10も記述。バイトについて。デメリットは、勉強時間が減ること。」



「はい、次お願いします。」




そのあとは、2人で黙々と作業を進める。



窓の外から注ぎ込むオレンジが、少しずつ暗い色になって来た頃。




「終わったー!」



「長かったな。」



「呉月くん、ありがと!本当に感謝!」

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