第15話

理系の松山先輩と、文系のいろは先輩。



お互いに苦手な部分を教えあって、お互いが必要、って感じで。



本当、うらやましい。




「まさに奇跡のカップルだよね。お姫様と王子様の。」





思わず、呟いてしまう。





「そうか?確かに千里先輩は王子っぽいけど、姉貴は姫ではないだろ。子供っぽい。」



「あの綺麗さで子供っぽいとか…!私、どうしたらいいのかわからなくなる…!」




きっと、あんなに綺麗な顔を毎日見てるから、素晴らしさが分からないんだ。




私なんて、あの2人をいくら見つめて、憧れていても全く飽きなかったのに。




目の肥えた呉月くん。私のことどう見えてるか、想像しただけで恐ろしい。人間の顔に見えているのか不安になる。




そう思うといたたまれなくなって、ばっ、机に顔を伏せた。

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