第14話

いろは先輩。



呉月くんのお姉さんで、私の憧れの人。



可愛くて、綺麗で、努力家で。


私たちが入学したときに3年生で、今年大学生になってしまったから1年間しか被らなかったけど。



無事、現役合格して、この高校の近くの難関国公立に通っているらしい。





「松山先輩も同じ大学だっけ?」



「千里くん?うん、毎日一緒に通ってる。馬鹿みたいに仲良く。」





松山千里(まつやま ちさと)先輩は、いろは先輩の彼氏。



この学校で理系クラスのトップの成績を3年間譲らずに卒業した、色素が薄くて、明るいブラウンの髪がとてつもなく似合う、この学校の永遠の王子様。





…私は、艶やかな黒髪の呉月くんのほうが、素敵だと思うけど、とか心の中で言ってみる。




その彼女のいろは先輩も文系クラストップだったんだけど。そう思うと、やっぱり呉月姉弟のDNAはすごい。




図書室で幸せそうに、仲良く勉強するいろは先輩と松山先輩の姿は、全校生徒の憧れの的だった。

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