第23話 ボス部屋
「今度こそ四階層の探索開始です」
響華はそう言い、歩き出す。
「といっても、探索するところなんてないんですがね……」
そう言う響華の目の前にあるのは、響華の背丈を優に超えるデカい扉だ。
コメント
・ボス部屋か……
・四階層目でボス部屋って結構珍しいな
・ボス部屋って大体五階層目とかのキリが良い数字の階層にあった気がするけど
・探索禁止指定ダンジョンのボスってどんなの出るんだろうな……
・ボスは流石にヤバそうな気がする
・流石に今までのようにはいかなそうだけど……
「探索禁止指定ダンジョンのボス……楽しみですね」
響華はそう言って扉を開け、ボス部屋に突入する。
そしてそこに居たのは……
「竜種?」
コメント
・また竜種か
・まぁ、二階層目と三階層目の両方とも竜種だったし、その流れで出そうだとは思ってた
・でも、流石にただの竜種じゃないだろ
・なんなら、俺らから見てもただの竜種には見えないし……
「これは……本当に竜種?なんでしょうか?」
響華の言う通り、そのボス部屋の中央に居たのは竜種の見た目をした魔物だった。しかし、その雰囲気は普通の竜種とは少し違った。なんというか存在感が強いのだ。ただそこにいるだけで少し威圧されている感じがするほどに、そこに居るだけだというのに存在感が出ているのだ。
コメント
・魔物なのに何か威厳を感じる……
・さっきまでの竜種とは言葉で表せないけど……なんかこう、格が違うというか……
・竜種の頂点って感じがする
・名前を付けるなら『竜王』とか?
「竜王ですか……、確かにそうですね」
響華は目に入ったコメントの命名に納得する。響華は今まで戦ってきた竜種とは生物としての格が違うと認識していたため、竜王という命名はとても納得できるものだった。
「ようやくこのダンジョンに入って初めて戦闘と呼べるほどの戦いが出来そうです!」
そう嬉しそうに言い、響華は竜王に攻撃する。その速度は今までの竜種であれば一瞬で倒していただろう速度で竜王に迫る。
そしてその勢いのまま響華は手に持った刀で竜王に斬りかかる。だが、竜王はその刀を自分の尻尾を使い横に逸らす。そしてそれと同時に、その太く強靭な尻尾を振り回す。
「ッ!!?」
しかし、そんな攻撃が当たるほど響華は遅くはない。響華は即座に反応し、その攻撃をバックステップで避ける。そしてすぐさま竜王から距離を取り、その攻撃の射程から離れる。
「やはりそこらの竜種とはレベルが違いますね……、流石にボスなだけはありますね」
コメント
・あの攻撃を軽々避ける狂姫も十分に化け物だがな!?
・それはそう
・避けた後にバックステップで距離を取るって行動がもう人間やめてるんだよな……
・いや、でもあれを初見であれを避けるのは無理だろ……、俺なら絶対当たってるし
・俺も無理だな!
響華はそう言って竜王に向かって駆け出す。そして再度刀を振るう。当然竜王もそんな攻撃は喰らいたくないので、その攻撃を尻尾を使い弾こうとする。
しかし……
「!?」
響華の振るった刀はその尻尾を両断した。竜王は一瞬驚いたような表情を浮かべるが、すぐに冷静になり一旦距離を取ろうとする。
だが、それを響華が許さない。一瞬で竜王の後ろに回り込み斬りかかる。竜王はすぐに防御しようとするがもう遅い。響華の攻撃が竜王に直撃する。
そして竜王はそのまま吹き飛んでいくのだった。
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