第22話 空間収納

「四階層目に到着です」


 コメント

 ・まてまてまて

 ・なんか見たことない竜種居なかったか!?

 ・画面がブレまくってたせいでそこまで正確じゃないけど、黄色と水色と紫色の竜種っぽい奴が見えたな

 ・まぁ、大体ワンパンされてたけど……

 ・多分協会でまだ未登録の竜種じゃないか?


 響華はコメントを見て反応する。


「え?今さっきと倒した竜種達って未登録の魔物だったんですか?」


 コメント

 ・協会のページ見たけど、基本四属性の竜種しか登録されてないし、新種っぽいぞ

 ・てか、視聴者もよくあの速さのなかで新種の竜種だって特定したな……

 ・俺とか何にも見えなかったぞ……

 ・まぁ、こんなに人が集まってたら上位の探索者の一人か二人ぐらいは見てるんじゃない?

 ・確かにな


「まぁ、未登録の魔物だろうがなんだろうが弱いので探索には関係ないですし、興味もないですね」


 響華はそう言って進もうとするが、協会長に言われた言葉を思い出し、その歩みを止める。


『探索禁止指定ダンジョンで獲得する未知のアイテムは全て研究機関に提出すること』


 その約束を果たさなければ、今回みたいに探索禁止指定ダンジョンの探索許可がもらえなくなってしまうかもしれない。響華はそう思い、またとんでもないスピードで三階層に戻っていく。


 コメント

 ・なんだ?

 ・何か三階層に戻っていってるけど……

 ・もしかして三階層のアイテムを回収するために……?

 ・っていうかあいつ等ってドロップ型なのか?

 ・基本四属性の竜種は全員討伐型だったはず……

 ・討伐型だったら、流石に空間収納に入りきらないんじゃない?

 ・っていうか今までアイテムとか回収してなかったのか……

 ・現時点で殺した魔物の素材だけで数億円はいってそうだけど、それを全部放置してたのやべぇな


響華は急いで三階層に残っている素材を取りに向かう。


(全部死体が残ってるってことは討伐型ですか……、面倒くさいですが、とりあえず全部空間収納に入れればいいでしょう)


そう頭の中で思考すると、響華は次々と竜種の死体を空間収納に入れていく。


「これで全部ですかね」


あたりを見渡し、全部回収したことを確認した響華は四階層にまた戻っていく。


コメント

・空間収納ってあんなに物入ったっけ?

・入るわけねぇだろ!

・普通はせいぜい竜種が一匹入るぐらいだからな

・今狂姫、十数体ぐらい空間収納に竜種を入れたよな?

・容量デカすぎだろ!


「魔力操作技術の問題ですね」


響華はコメントを見てそう答える。


「空間収納の容量は基本的には魔力をどれだけ込められたかによって変わるんですよ。例えば魔力操作が下手な人が魔力を100込めて作った空間収納は実際には魔力が50ぐらいしか込められていなかったりするんですが、魔力操作技術が得意な人が魔力を100込めて作った空間収納はしっかりと魔力が100込められているんです。ですから空間収納にどれだけ多くのものを入れられるかは、その人の魔力操作技術によるんですよ」


コメント

・はえ~

・魔力操作技術って結構大事なんだな

・なるほど

・勉強になるわ

・魔力操作技術によるってのは初耳だわ……


「魔力操作技術はどの魔法でも重要になってくる大事な技術ですから鍛えておいてそんは無いと思いますよ」


響華はそうコメントに返すと四階層の探索を開始するのだった。

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