第21話 第三階層

「これで、この階層の魔物も終わりましたね」


 コメント

 ・あまりにも一方的すぎるw

 ・狂姫が持ってる銃を一発撃つだけで竜がどんどん死んでいくからな

 ・探索禁止指定ダンジョンとは思えないほど、サクサクと探索が進んでいくなw

 ・早すぎんだろ……

 ・探索禁止指定ダンジョンってこんな簡単に進めるほど簡単なダンジョンではないはずなんだけど……

 ・狂姫の力が異常すぎるんだよな

 ・どんな魔物もワンパンで倒しちゃうからね……


 響華はそんなコメントの意見に反応する。


「まだ、このダンジョンも序盤ですから、そこまで強くないんだと思いますけどね」


 コメント

 ・確かにまだ二階層目だもんな

 ・でも狂姫ならそのままの勢いで最下層まで行きそうなんだよな~

 ・何にも本気を出してない状態でこれだしな……

 ・ここまで圧倒的だとちょっと狂姫が苦戦してる姿見てみたくなってくるわ


「ですがこの調子で行くと時間もかかりますし、何より私も雑魚と戦う時間なんていらないと思っていたので、強い敵が出る所まで飛ばしますね」


 ・え?


「狂姫はこの程度のダンジョンで苦戦しない」というイメージが視聴者の中に出来上がりつつある中、響華はそう発言し『凶器の具象』を解除する。


「私の動きを阻害させないための『凶器』を私の手に」


 そして響華はそう宣言し、再度『凶器の具象』を発動する。その宣言と同時に響華の両手には一丁の拳銃と日本刀が握られる。


「では、行きます」


 そう言って響華は走り始める。その動きは一階層目で見せた動きと同等かそれ以上の速さだった。しかし、今回はそれだけではない。今の響華は一切


 普通は攻撃するときや、回避するときなどには必ずその動きに何らかの変化が発生する。しかし今の響華にはそれがない。そしてその動きを可能にしているのは、響華が持っている武器によるものだ。


 響華は『凶器の具象』によって作られた武器を、その状況に合わせて使い分けている。 そして響華はその武器を駆使しながらどんどん魔物を倒していく。


「二階層目終了、三階層目いきます」


 コメント

 ・はやいはやいはやい

 ・マジで一切止まらないじゃん

 ・はやすぎてずっとなにも画面が見えないんだけど……

 ・どうなってんだ……


 響華はコメントを一切見ずに三階層目の攻略を開始する。


(なるほど、次は基本属性以外の竜種ですか……、まぁ関係ありませんね)


 目の前に雷を纏った竜が居たが、響華はそれを気にせず、一瞬で近づきその竜を両断する。


(このままどんどん行きましょうか)


 そう言って響華は進んでいく。途中「基本四属性以外の竜種って発見されてたっけ?」と響華の中に疑問が出てきていたが、気にせず雷や氷、紫色の毒らしきものを身に纏った竜を殲滅していく。


 雷と氷の竜種は日本刀で一刀両断、毒らしきものを身に纏った竜は拳銃を使い、脳天に銃弾を食らわせる。


 この拳銃は軽さや取り回しの良さを維持するために対物ライフルの時のような特殊能力は付与していないが、その代わり急所に入れれば竜種をも一撃で殺すことの出来る火力を有している。


 そして響華は圧倒的なまでの速さで三階層目の探索を終わらせたのだった。

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