第14話:天使だって女の子の日はある。
恵理奈さんに本当のことを指摘された晋平。
わずかにでも心が動いた。
そうだな・・・いつまでも忌まわしい過去に縛られてちゃいけないよな。
なにより自分が
それはマズイし・・・今の晋平はリンデルがいないと余計やる気がでないと
思った。
あれこ文句は言ってながらでもリンデルがいてくれるから、好きにして
いられるし楽しかった・・・それが日常からなくなったら・・・過去のことより、
今はそっちのほうが大問題って晋平だった。
だからすぐにリンデルのところに行った。
リンデルは台所で昼食の支度をしていた・・・もうすっかり本村家の家族だった。
「リンデル・・・リンデル、天界へ帰ったりしないよな?」
「なに?いきなり・・・帰ったりしないよ」
っていつの間にかリンデルの言葉も晋平には全面的に敬語じゃなくなっていた。
「私には晋ちゃんの心の悲しみを取り去ってあげるってやり甲斐のある目標が
できちゃったからね・・」
「俺さ・・・もう一回自分の人生見つめ直してみようかと思って」
「まあ、俺の心に入ってくるなって言ってた人が、どう言う風のふきまわし?」
「恵理奈にこてんぱんに真実を指摘されて・・・で、おまけにリンデルに想いを
告白されて・・・それでなにも思わないわけないだろ?」
「できたら俺はリンデルの想いに応えたい」
「だから君が天界に帰っちゃったら困るんだ」
「大丈夫だよ・・・私、晋ちゃんに帰れって言われても帰らないから」
「私の想いは強いんだよ・・・片想いなんて、そんなので終わらせないから」
「リンデル・・・」
どうやら、なんとなく晋平とジュエルはいい感じでまとまりそうな気配。
お互いの気持ちが繋がってるみたいだ。
晋平がまだ女性を愛せないのかどうか確かめましょうってことで、リンデルは
晋平に迫った。
本来は男のほうが女性を求まるのが普通なのかもしれないけど天使は違う。
晋平の戸惑いをよそにリンデルが晋平を無理やり襲った形になった。
なんて積極的な天使。
最初は晋平も無理だよってリンデルを拒否ろうとしたけど、試してみたいと
分からないってリンデル説得されて、彼女の誘いに応じた。
って応じたなんて言ってるけど・・・相手は15歳だぞ・・・未成年だぞ。
淫行だぞ、それって。
で、結局ふたりはめでたく結ばれたみたいだけど、エッチできたってことは
晋平の心から過去のトラウマがなくなってたってことになるわけで、もうそう
なったら関が切れたみたいに晋平はリンデルを求めた。
なんだけど晋平は過去のトラウマは克服したけど相変わらず勉強もせずに
ヘラヘラしてクラスの女子の尻を追いかけていた。
バカ晋平がそんなことしてる間もリンデルは恵理奈さんの家事の手伝いを
甲斐甲斐しくこなしていた。
一度なんか晋平が忘れ物をしたって言うのでリンデルが学校まで忘れ物を
届けたら晋平がクラスの女子を口説いてる場面に出くわして、晋平はめちゃ
リンデルに怒られた。
ようやくリンデルの機嫌も和らいで、いざエッチってなったら、そんな時に
限ってリンデルに女の子の日がやってきてエッチできないって間の悪い状況。
「天使だろ?・・・天使が生理になったりするの?」
「天使をなんだと思ってるの・・・私も女の子だよ」
「そうなんだ・・・人間と違って生理になんてならないのかと思った・・・」
「やりたい時にできないって、そりゃもう欲求不満になっちゃうよ」
「ごめんなさい」
「あ、いや・・・謝られるとな・・・俺がめちゃ薄情なやつみたいに見える
から、謝らなくていいから」
「薄情じゃん・・・人が生理でナーバスになってるのに・・・」
「だよな・・・ごめんな・・・なんかさ俺いつもリンデルに無理言ってるよな」
「本当はさ・・・俺がちゃんとしてリンデルの思うようないい男になったら
リンデルも苦労しなくて済むのにな」
「だね・・・だけど人の性格ってよっぽど何か強い感情に影響でもされないと
変わってねって言われたって、そんなに簡単には変わらないもんだよ」
「だからって訳じゃないけど晋ちゃんはそのままでいいのかも・・・」
「無理に更生させようとしても、かえって逆効果だったりするのかもね」
「なんだか、晋ちゃんが優等生になったら魅力無くなっちゃう気がして・・・」
つづく。
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