第7話:リンデル、晋平の家にお泊まりすることになる。

「更生する気ないでしょ?・・・」


「ごめん・・・もうふざけないから・・・」

「ちゃんとリンデルちゃんの言うこと聞くから、だからとりあえず俺んちへ

おいでよ、ね?」


「分かりました・・・ビジホ泊はボツにします」

「ってことで、よろしくお願いします」


「うん、俺こそ、よろしく・・・あの・・・時々エロいこと口走るけどスルーして

くれていいから・・・」


「スケベなところも直さなくちゃですね」


「いやいや、俺からスケベ取っちゃったらラブドールと同じだから」


「ラブドールってなんですか?」


「ラブドールって男性にとっては必要アイテムだけど、ただの人形だから・・・

魂が入ってないだろ?」

「魂の入ってないもの抱いたって虚しいだけじゃん」

「だから俺からスケベ取っちゃったらラブドールみたいに魂の抜け殻になっ

ちゃうから・・・虚しいだけの寂しい男になっちゃうってこと・・・」


「複雑なんですね・・・」


ってなことで、リンデルは結局ビジホには泊まらず 晋平の家に泊めてもらう

ことになった。


で、大変だったのが晋平・・・リンデルに偉そうなことを言ったが、親に

リンデルのことを説明して信じさせなきゃいけないこと忘れていた。

説明とか説得とかそう言うことが特に苦手な晋平。


「リンデルちゃん、そこでちょっと待ってな」


「なんか暗い廊下・・・空気が淀んでるよ、風水で見てもらったほうがいい

んじゃないですか?」


「天使が風水なんか知ってんのかよ?」

「余計なことはいいから俺が呼ぶまでそこでじっとしてろよ」


晋平は玄関先の廊下のリンデルを置いて両親がいるリビングに入って行った。


親父の名前は「村本 良平むらもと りょうへい」仕事が一番の馬車馬みたいな男。

もう種馬として活躍することも少なくなったが、それでも時々は嫁が欲求不満の

時は腰を動かして疾走しなきゃいけない夜もあった。


その嫁、晋平の母親の名前は「村本 恵理奈みらもと えりな」歳のわりに若い、油の乗りきった熟女・・・女として一番感度良好な歳・・・。

良平が徐々に衰えて行く反面、恵里奈はますます性欲旺盛なって行く。


そのふたり、テレビを観てバカ笑いしていた。


「あの・・・良平・・・恵理奈、ちょっといいか?」


晋平は両親のことを普段から名前で呼んでいる。

で、晋平に声をかけられた良平と恵理奈は同時に晋平のほうを振り向いた。


「あ、お帰り晋平・・・」


恵理奈が行った。


「なに?・・・なんか用?」


「お〜い・・・リンデルちゃんちょっとこっちへ・・・」


って振り向いたらリンデルが背後霊にように晋平の後ろに立っていた。


「わ、びっくりした・・・え?な〜なんで呼ぶまで廊下にいないんだよ」


「あの廊下、怖いんだもん」

「それにどっちみち出て来なきゃいけないでしょ?」


「晋平・・・その俺好みの可愛いロリータちゃんは誰だ?」


リンデルを見た良平が言った。


「ロリータじゃないわ・・・失礼だろ・・・バカ親父、たぶん未成年だと

思うけどな・・・リンデル、今何歳?」


「15歳です」


「じゅ〜・・・じゅ〜ごだって?」


「それ見ろ、晋平この子ロリータじゃねえかよ」


「15って・・・にしたって未成年だけどリンデルはロリータじゃないだろ」


「あんた、どこでその子誘拐してきたの」


今度は恵理奈が言った。


「誘拐なんかしてないよ・・・いきなり俺の前に現れたんだよ」


つづく。



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