第3話

 或る人は言った。シュガースポットは天国だと。この世に天国があるものか、吐き捨がら進み続ける。

 或る人は言った。シュガースポットは理想郷だと。ーー理想郷などあるものか。結局トマス・モアの描いた理想郷は廃退したディストピアではなかったかーー何もかもが主の反語になっていく。これもすべて過酷な旅なのだろうか? それともすべからくそうだったのだろうか? 僕にはわからない。檸檬にもわからないだろう。ただただ、前に進むだけだ。

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