第3話 時間泥棒


マークは時間を節約することが何よりも大切だった。朝食は5分、昼食は10分で済ませ、友人との会話は1分で終わらせるようにしていた。家族は変わらないマークの性格についていけなくなり、マークは一人になった。マークは余計な時間を使わなくて済むと思い喜んだ。


そんなある日、時間を借りれるガジェットが発売された。マークは喜んで購入し、毎日そのガジェットを使うようになった。仕事の効率は上がり、好きな映画鑑賞や、ブログの更新もたくさんした。それから15年が経ったが、マークはあいも変わらずそのガジェットを使い続けていた。


ある時マークがいつものパン屋でパンを選んでいると、マークが気になっている女性が店の奥から出てきた。マークはそのパン屋の店員が気になっていた。店員に笑顔で別れ店から出ると、見知らぬ同い年くらいの青年がマークに声をかけてきた。マークはその男との話を早々に切り上げようとすると、その青年がナイフでマークの胸を切り裂き、マークは絶命した。


マークが死ぬ直前、青年は言った。「やっと見つけた、お前のせいで俺の15年が奪われた、死んでもお前は許さない。」そのガジェットは青年の時間から借りていたのだ。マークには青年の言っていることが分からなかったが、彼が言った言葉にはとても重みがあると感じられた。


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