第4話 いつものトリオ

犯罪で184万儲けたシャーロット(ヤタガラス)

流石に一人は寂しいから一緒にやる友達を呼んだようです


「もしもし」 「な~に?」 「今、暇?」

「暇だよ〜」 「じゃあ、カオスシティって言うゲームやってくんね?」

「いいよ〜、アルマも誘うね〜」 「おう、よろしくな」

「ちなみに、何がおすすめなの?」 「最初は公務員が安定かなと思っている」

「ふ~ん、参考にさせてもらうよ。ちなみにヤタガラスはどの職業なの?」

「う~ん?今は無職かな?」 「なんで無職だし疑問形なの!?」

「まぁ、やってみてくれ!」 「あっ、ちょっ」


…まあ、来てくれることだろう

…たぶん



俺は最初にスポーンした空港でみんなを待っていた

どんどんプレイヤーらしき人たちが出てくる

背が高い男、髪の毛が光っている女、鱗を持った男、顔がはっきりしないものまで

色々な個性(ミュータントパワー)が垣間見える


…そういえばどこで集合かはいってなかったな

しまった…


すると着信がくる

スマホの方ではなくゲーム機本体からの着信だ

出てみるとホネホネからだったのでひとまず俺は安堵する


「おーい、ログインしたよ。どこにいるの」

「アルマも一緒か?」 「うん、横にいるよ〜」

「じゃあ、手を降ってくれ」 「オッケー」


周りを見渡すと3組が手を降っていた


「すまない、更にジャンプしてくれ」

「え〜、今はやりたくないんだけどな〜」

「ん?、どういう意味だ?」 「じゃあ、ジャンプするよ〜」


するとジャンプしながら手を降っている二人組が見つかった


「オッケー、見つけた」 「ありがと、じゃ〜ね〜」


そういって電話は切られた


良かった良かった、来てくれて

一人では寂しいもんで…


そう思いつつホネホネとアルマだと思う二人組に近づく

近づくにつれて姿がはっきりと見えてくるが何やら違和感

一人は背の高い巨乳のお姉さんでもう一人はサイバーパンクの甲冑姿だし

…大丈夫か? 恐る恐る聞いてみる。


「あの〜、失礼ながらお聞きしますが…ホネホネとアルマで間違いないでしょうか?」 「何その口調、合ってるよ。じゃあ、ヤタガラスだね」

「良かった〜、二人とも印象と違いすぎて焦ったわ」

「僕は気分でキャラメイクしてるよ」 「俺は大体鎧姿だな」

「ふ~ん、俺も気分かな」 「そうなのか」


ホネホネはギャルっぽくて金髪、青目、身長は180くらい

アルマは電気が走ってそうな蒼い全身鎧と形容したほうがいいだろう

かっこいいな…


「ちなみにミュータントパワーは何なの?僕たちはね〜」

「ちょっとまって」 「え〜何なの〜?」

「流石に公共の場所でミュータントパワーをさらけ出すのはまずい」

「?そうなの」 「まぁ、一旦ついてきてくれ」


そう言って俺達は空港を出る

俺が拠点としている製作所は拠点からバイクで十数分くらいかかるので

みんなでどうやってそこまで行くのかは悩みどころではある


「ねぇ、どこに行くの?」 「えっと、ここだな」


俺はマップを開き、行き先の製作所にピンを刺す。

アルマとホネホネはそれを覗き込む


「そこってここから結構離れてるよね」 「移動手段はどうするんだ?」

「そうだよ、そこまで歩いってったらスタミナが持たないよ」

「う~ん、どうしようか…」 「「う~ん」」


俺達が空港前で座り込みながら話していると一台の車に目が行った

NPCがヒッチハイクで移動手段を確保しているところを見てしまった

俺のポケットの中には何がある、移動手段を入手するにはどうしたらいい


「ひらめいた!」 「うぉ!びっくりした」 「急に大声出さないでよ」

「移動手段を捕まえに行くぞ!」 「「…?」」



「へ〜イ、乗せてって!」 「おねが〜い!」

「Hey、そこのお嬢ちゃん達乗りな!」

「わ~い、ありがとうございます〜」 「私達、空港まで歩いてきたので疲れちゃいました!」 「あと、もう一人連れがくるんですけどいいですか?」

「Ou、構わないぜ!」 「ありがとうございます。あ、来た!」

「どんな子かな…、OOu…」 「ヘイ、乗せてってくれるんだってな。ついでにこの車ももらってくぜ」 「な、なんだお前!」「おっと、これが目に入らねえのか」

「お、Ou…It is a gun」


「ウェーイ、移動手段ゲット!」 「まさかこんなに楽に行くとは思わなかったがな」

「美人局的なやつに引っかかるNPCもいるんだね〜」 「次から気をつけるこったな!」 「「「hahaha」」」 「ま、次会う時はリムジンに乗せてってやるよ」

「リムジン買う気ある?」 「いいや、ないね」 「「www」」

「そろそろ近くじゃないか?」 「そうだな、もうここらへんで降りてしまおう」

「え〜まだもうちょっとあるよ」 「近くに止めてアジト(仮)がバレたらどうする」

「あ、確かに!」 「じゃ、降りるぞ」 「おう、わかった」


「へ〜ここがアジトか〜」 「何て言うか…廃墟に近いな」

「これから直していくんだよ。材料もそのために集めたんだし」


俺は二人が来るまで色んなゴミ箱を漁った

中には使えないゴミのほうが多かったが何とか製作所を直す材料は集まった


「じゃあ、僕がメカニックになるよ」 「おう、よろしく」

「えっと、なり方って何だったっけ」 「まず、スマホあるだろ」

「うん、さっきコンビニで買ってもらったやつでしょ」

「それで、市役所のホームページを開く」

「うん、開いたよ」 「じゃあ、市民表のとこから職業でメカニックを選ぶ」

「オッケー、選べた」 「よし、完了だ」 「…それだけ?」 「おう」

「なんかずいぶんあっさり行けるね」 「第2職業も選べるんだな」

「何回でも変えられるからそこは臨機応変に行きたいな」

「じゃあ、メカニックになったわけだけど」 「うん」

「何すればいいの?」 「じゃあ、ここのレバーあるだろ、ここ下げて」

「うん、えい!」 「うぉ、そこら辺に散乱してた資材が…」


ホネホネがレバーを下げると、施設内にあった資材が光の粒子となり、壁や床を奔りながら欠けた部分を修復していく。同時にいろんな設備も粒子により構成されていく

その景色は科学の世界観ながら神秘的な光を纏っており、幾何学模様を織りなしながら着々と完成させていった。


「「「おお〜」」」


その出来栄えは賛美の声しか出なかった。

壁や床は完全に修復され色まで清潔感が溢れていた。

部屋は作業所と居住区に分かれて、生活感が凄く増した。

外は完全に一軒家と呼んでいいだろう。いや、店といったほうがしっくり来るな…


「すごいすごい凄く良くなった」 「これからはちゃんとアジトって呼べるな」

「すげ~作業場にエアコンとコーヒーメーカーがあるぞ」

「ほんとだ!、作業休憩時にここで涼みながらコーヒーを嗜む…絵になるね〜」

「コーヒー飲めるの?」 「いや、苦くて飲めない!」 「何じゃそりゃ」

「これは居住区スペースにも期待できるな!」 「早速見てみよ!」


ホネホネが勢い良くドアを開けると一面に白い空間が広がった


「…え?」 「うわ!何もねえ!」 「ここは自分たちで作れと?」

「そうみたいだね…」

「まぁ、一段落ついたし、やっとだけど情報共有するか」

「ふ〜、やっと話せるよ」 「じゃあ、俺から話していいか?」

「え〜待ってよアルマ!楽しみにしてたから先に喋らせて」

「はいはい、どうぞ」 「じゃあ、話すね!」

「えっと…一応プレイヤー名はアスカだけどホネホネでいいよ」

「なるほど、コードネーム的な感じで使ってもいいのか」

「次にミュータントパワーは【空中機動アクロバティック、パッシブ】だよ」

「どういう効果なんだ?」 「アクションがしやすくなるね。見てて!」


ホネホネもといアスカはその場で逆立ちをして後方に飛び体を捻りながら華麗な着地を見せた。まるで長年やってきたかのようにキレイなアクロバティックだった。


「「おお〜」」 「フフン!すごいでしょ」 「綺麗な空中後方3回転半ひねりだったぞ」

「まぁ、こんな感じですっごい動けるんだ。走るのも速いよ〜」

「へーそんな効果もあるのか」 「じゃあ次は俺だな」

「俺のプレイヤー名は雷切らいきりだけど引き続きアルマでいいぜ」

「おう」 「それでミュータントパワーは【刀術・瞬、アクテイブ】だな」

「それってどういうのなの?」 「刀を持っているときに発動するんだ」

「なぁ、刀ってあるか?」 「えっと、ちょっと待ってね。今ある材料で一番弱いけど刀が作れそうだよ」 「おっ、うんじゃそれで」 「オッケー」


「はい、できたよ」 「…何だこれ?」 「一応、刀に分類されてるんだけどな」

「どう見ても紙でできたおもちゃなんだが?」 「非殺傷って書いてあったね」

「まぁいいや、じゃあ、見せるな」


アルマもとい雷切は刀(仮)を腰元に置き、勢いよく抜刀する。

すると一瞬で前方に空気との摩擦で電気が発生するぐらいの速度で移動するとともに刀を振り抜いた。 その速度により紙でできた刀は発火し燃えカスとなった。


「うぉ!、すごい速度」 「おぉ、突風が」 「アッチ!熱っち」

「流石に手に燃えてるものがあったらね〜」 「フーフー、あ~熱かった」


「で、ヤタガラスはどんなミュータントパワーなんだ?」

「俺のプレイヤー名はシャーロットだ」 「可愛い名前だね〜」

「お前も大概だろ」 「で、ミュータントパワーは【瞬間移動】だな」

「瞬間移動か〜、またポピュラーな」 「見せてみてくれ」


俺が能力を発動するとアルマが縮地で移動した地点まで転移、

そして、10秒くらい経ちクールタイムがあけるとアスカの髪を結んでいた紐を手元に転移させた。


「わぷっ」 「おぉ、自分だけじゃなくてものも転移できるのか」

「ちょっと返して〜、髪が顔にかかってるから〜」

「はいはい、ごめんな〜」 「も〜!」


「まぁ、みんな自己紹介が終わったということで…」

「なにがしたい?」 「とりあえず金かな〜」 「ほな、強盗か〜」

「そのための武器も手に入れたいしね」 「あと、この家の内装だよ」

「まずベットだよ、ベットがないと!」 「じゃ、決まったな!」

「うん!」 「おう!」 「「「強盗だ!」」」


現在所持金 154万(−30万)



メモ

NPC

NPC通称”心なき” ちゃんと喋って行動することはできるが大抵のNPCはミュータントパワーを持っていない。 持っているやつは大体重要な施設にいる

じきに無料レンタカー(返さなくと良い)とまで呼ばれる


犯罪

銀行強盗からクスリの製造まで何でもござれ

幅広い活動ができ、常にスリルと隣り合わせ!

大きな犯罪は大体ギャングしかできない

常に警察はギャングの十倍いるぞ!


公務員

何もしてなくても勝手にお金が入ってくる職業

初心者は最初の職業はここにしたほうがオススメ

しかし一攫千金は狙えない

昇格制度もあるのでコツコツ頑張ろう


武器

警察や犯罪者がよく持っている

銃から刀まで色々ある

ちなみに警察新入りが最初に持たされるのは防弾チョッキとテーザー銃

詰まる所エイムゲーである!

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ほぼ人外達のギャング生活 ニクカイ @kimiha_jituni_bakadana

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