第3話 友達以上、恋人未満(高校2年・秋)

文化祭の準備が忙しい時期、クラス全員で協力して模擬店を作り上げていた。美咲と陸は役割が同じで、頻繁に一緒に行動していた。


美咲「桜井くん、これでいいかな?入口の飾り付け、なんか物足りない気がするけど…」


陸「うん、もう少し飾りを増やしてもいいかもね。でも、十分可愛いよ。」


美咲「ほんと?よかった!桜井くん、なんかアドバイス上手だよね。何でも相談したくなる!」


美咲は親しげに話しかけ、陸はそれを嬉しく感じつつも、心の奥底で葛藤していた。


陸「(相談されるのは嬉しいけど、やっぱり俺たちはただの友達なんだ…。友達以上には、なれないのかな…)」


周囲の友人たちからも「いい感じじゃん」と冷やかされることが増えたが、陸はその言葉が自分をからかっているようにしか思えず、気持ちを言い出せないままだった。

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