第12話
「…ははっ。克穂は千亜稀ちゃんが関わるとずいぶん子どもになるんだなぁ」
「!」
すると、近くに立っていたおじ様が笑いを堪えてそう言った。
あたしとマミヤちゃんは突然のことに驚いて、ポカンと口を開けたまま、おじ様の方へと振り返る。
「……子ども…?克穂、くんが…ですか…?」
呆気に取られておじ様に問うと、おじ様は笑う。
「あぁ。“子ども”だ。…子どもと言えば、そうだ。千亜稀ちゃん、ちょっとおいで。…マミヤは充とデートかな?」
言葉の裏に、“デートに行っておいで”という言葉が隠れているような気がした。
…そういうところが、トコトン王子と似ている。
おじ様のその言葉に、今まで一緒に口を開けていたマミヤちゃんが充くんへと視線を向けた。
「…そ、そうですわね。久しぶりにドイツの街並みでも眺めて来ましょうか…」
そう言って、二人が去り、おじ様があたしを手招きをした。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます