第12話

「…ははっ。克穂は千亜稀ちゃんが関わるとずいぶん子どもになるんだなぁ」



「!」



すると、近くに立っていたおじ様が笑いを堪えてそう言った。



あたしとマミヤちゃんは突然のことに驚いて、ポカンと口を開けたまま、おじ様の方へと振り返る。




「……子ども…?克穂、くんが…ですか…?」



呆気に取られておじ様に問うと、おじ様は笑う。



「あぁ。“子ども”だ。…子どもと言えば、そうだ。千亜稀ちゃん、ちょっとおいで。…マミヤは充とデートかな?」



言葉の裏に、“デートに行っておいで”という言葉が隠れているような気がした。



…そういうところが、トコトン王子と似ている。



おじ様のその言葉に、今まで一緒に口を開けていたマミヤちゃんが充くんへと視線を向けた。




「…そ、そうですわね。久しぶりにドイツの街並みでも眺めて来ましょうか…」



そう言って、二人が去り、おじ様があたしを手招きをした。

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