第7話
「ちーあーきちゃんっ」
「!」
プライベートジェットが空港に着陸し、ゲートを抜けると、目の前に同じ顔した彼女が現れる。
「蜜ちゃん!」
髪の毛の色が明るくなり、伸びた髪に緩いパーマがかかっている。
あたしと同じ顔の彼女が、やっぱり少しだけ大人びて見えた。
「久しぶり~!元気にしてた?」
ニコニコと笑う顔は相変わらず、爽やかな雰囲気を醸し出している。
「飛行機の中は快適だったかな?」
そこに、絶句の美男子(男子?)王子のお父様登場!
「は、はい!自家用ジェットなんて初めてで…っ」
あたしはおじ様に視線を合わせて、慌てて言った。
快適、というか、なんというか。
あの機体の中に入るだけで思い出してしまいそう。
王子と愛し合った記憶。
鮮明に思い出してしまう!
「あぁ。まぁまぁだったかな」
そんなあたしの隣で、いつもと同じテンションの王子が言った。
…ま、まぁまぁ!?
その感想に、あたしはギョッとして王子を見つめる。
(…ばーか)
「!」
すると、あたしの形相を見た王子が小声で言った。
(バレバレな顔してんじゃねーよ)
そう囁いて、フッと笑う。
「ッ!!」
ときめかなくていいとこで、あたしの胸はときめいてしまう。
王子はあたしを馬鹿にしたっていうのに、あたしは王子にときめいてしまう!
(く、ぐやじいっ!!)
あたしは空港内で地団駄を踏み、「キィ~~!」と声を上げる。
そんなあたし達を見ていた蜜ちゃんとおじ様がキョトンとした顔を見合わせながら小さく笑った。
「…何やら、楽しかったようだね」
「本当に♪」
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