ニコニコと金髪の男が近づいてくる。

あたしは、やっとの思いでカードを拾い上げ、後ろ手で必死にカードをドアに押し当てる。

でも、上手く入らない。

「Oh！You are pretty girl! Whats your name?」

「!!!」

とうとう声をかけられてしまった!!

あたしは一気に蒼ざめる。

「あ、あは…」

体を近づける金髪の彼に、あたしは出来る限り身を離す。

出来るだけ視線を合わせないように横を向き、あたしは後ろ手でカードを差し入れる。

そんなあたしの努力は虚しく、見る見るうちに外人の手があたしの頬に伸びてきて、あたしは掴まってしまった。

(助けて!!!王子!!!)

っと、ギュッと目を瞑ろうとしたとき、入ってきた視界の中。

金髪外人の男の顔。

(お、王子…？)

外国には王子と同じ顔がゴロゴロいるらしい。

「Your name?」

戸惑いつつも、盗み見をするように見上げるあたしに、彼はもう一度囁いた。

キラッキラの金色の髪。

その下には王子の顔がある。

瞳の色が綺麗な青色で、吸い込まれるような澄んだ色。

あたしは目を奪われて、ドアを背中に佇んだ。

「キミノナマエハ、チアキ？」

外人が片言であたしに問いかける。

「へ…!?」

ま、まさかこの人も王子関係の男とか言う!?

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