第22話
「はぁ…」
さっきのやり取りと思い出して、理科室から帰る途中、あたしは深くため息をついた。
「どうしましたの?」
キョトンと大きな瞳をぶら下げて、首を傾げる我が親友。
「ゃ~…ι」
自然と瞳が泳いでしまう。
だってあたし、マミヤちゃんの恋心を知っているのにピエの力になる、なんて言っちゃった…。
あたし…ほんとにどうすればいいんだろう…
トボトボと廊下を歩いていると、なにやら人だかりが出来ている。
この感覚は、今までもあった。
幾度となく経験した。
確実に裏でアイツらが絡んでいる。
その人込みがあたしが来たのに気づいて、そそっと道を作った。
そこに見えるのは新聞部のスクープニュース。
『必見!学園のシンデレラガールは“王子顔”に弱かった!?』
その見出しと、ピエに抱きつかれているあたしの写真。
どう考えたって、かなりビビッてる不細工な瞬間を頂きショットなのに、みんなはあたしを少し白い目で見ている。
「千亜稀ちゃん~~~~~!!?!!??」
一番厄介な人が隣でヒステリックを起こしてしまった。
(あぁ…)
あたしはガボーンと白目を剥く。
それと同時に、あたしは周りの白い目と親友のメトロノーム(速さはプレッティッシモ)の揺すぶりに遭っていた。
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