第19話

次の日。




気がつけばピエールの腕の中に身を委ねているあたし。




「ハッ!!!


ちょ、ちょっと待ってよ!なんで挨拶がハグなのよ!!!」




あたしはバリッとピエールを剥がして、触られた両腕をポソポソと払った。




『グーテンモルゲ~ン』と抱きついてきたのが数秒前。




その間、あたしは意識がなかった。




「なんでこんな…」




唇を尖らせて、腕をポンポンっと払っていると、目の前に立つピエールの瞳。




シュンと眉を下げる表情にあたしは胸がキュンっといってしまう。




王子の顔で、こんな表情は…卑怯だ!




スススと体を離すと、ピエールがあたしの手首を掴んだ。




「…ちーちゃん、俺、話があるんだ」




カッチーン

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