第6話
「な、なんで帰ってきたって教えてくれなかったの!?」
あたしは廊下で大きく叫ぶ。
王子の胸を両手で張り倒し、ドンッと遠くに押しのけた。
(…ん?)
その体は厚くて重い。
落ち着いて見上げると、髪の毛の色が…黒!?
あたしは大きく目を見開く。
少しガチッとした体つきになっていて、髪の毛の色は黒に染められていて、表情は少しだけ微笑んでいる。
こんな表情をすることは最近では稀で、微笑んでいることがあたしには落ち着かない。
王子はここのとこ、ずっと無表情が主流で、みんなそれに慣れ始めてきてたっていうのに…。
ドイツにいって、また何か問題抱えてきちゃったの!?
体つきだって、何かエステ…か何かにかけられたの!?
こんなに筋肉質だったっけ!?
あたしは押しのけた手をニギニギと握って、視線は王子に合わせたまま、その感覚を確かめた。
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