第4話

「え、ちょっ…マミヤちゃ!?」




ガフッ




頭頂部に硬い何かが舞い降りる。




「む~ら~お~かぁ~…」



ゾクリ…



ゆっくりと体を黒板の方に向けると、鬼と化した先生が立っている。



その顔がまるで仁王のようであたしは肩を小さくすぼめるしかなかった。




先生がいなくなるのを待って、後ろからマミヤちゃんが小さく声を出す。




「昨日克穂を見かけたって聞きましたけど…まだお会いになっていらっしゃらないんですの?」




その言葉を背中で受け止め、あたしはコクコクと小刻みに首を振った。




どうして?



なんで、教えてくれなかったの?




あたしはこっそりと机の下で携帯を開く。




昨日電話もしたのに…




あたしは着信の表示を見て、心の中にガッポリと穴が開くのを感じた。

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