第91話
王子はそのまま階段を降りていく。
え?
えっ?!
ちょっと待ってよ!
何よ!言い返しなさいよ!
『勝手にそんな事言ってんな』って言い返しなさいよ!
「かっ克穂っ?!」
一生懸命振り返りながら、あたしは王子に叫ぶ。
それでも足は止めずにスタスタと降りていく。
「ねぇっ新地離してっ」
あたしは新地の手を押した。
「これでいいんだって。これ以上振り回される必要なんてない」
新地は小さくそう呟いた。
うそ
そんなの嘘
あたしはもっと王子と一緒にいたいんだよっ?!
新地の手を振り払い、あたしは王子の背中を追う。
マミヤちゃんを通り過ぎ、王子を追った。
「千亜稀ちゃんっ千亜稀ちゃん…!あたくし…」
「…後でゆっくり話そうっ!!」
あたしはそう叫び、王子の背中目掛けて走り出した。
.
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます